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瞳の景色が読まれている

2019年10月23日
 瞳に映る景色は感情の表れとして度々、詩に登場する。歌手松田聖子さんの往年のヒット曲「瞳はダイアモンド」には、瞳に映った青空に黒雲が覆ってくるのを見て心変わりに気付く、といった内容がある。

 「目は口ほどに物を言う」とはいうが、あくまでまなざしを含めた表情のことだろう。まさか本当に瞳に映った景色が多くの情報を含み、犯罪にまで悪用されるとは考えもしなかった。最近、警視庁がわいせつ容疑で逮捕した男はデジタル技術を駆使したようだ。

 被害者女性の住所を特定するため、会員制交流サイト(SNS)に投稿した女性の顔写真から「瞳に映った駅の景色を手掛かりにした」と供述。グーグルの「ストリートビュー」で特徴が似た駅を探し出し、女性を待ち伏せして、後をつけて自宅マンションを割り出した。

 先日、東京の北の丸公園にある科学技術館で衝撃的な体験をした。部屋に入ると、監視カメラの方を見てもいないのに寸時に年齢がモニターに表示される。背格好や顔つきから読み取るのだろう。「自分は若く見える」と思い込んでいたが、正確に当てられたので、感心したり恐ろしくなったりだ。

 カメラの飛躍的な技術の発展が、犯罪の抑止や早期検挙に威力を発揮しているのは間違いない。だが一方で個人情報をのぞかれる危険も増しているのは確か。監視社会とまでは言わないがまずは、不用意にSNS上に画像をアップしないように気を付けたい。

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