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うなぎシンポジウム

2019年10月20日
 池入れしたシラスウナギの中でも成長が早く、出荷サイズに育った若いものを新仔(しんこ)ウナギと呼ぶ。生産者は自分の手を離れ、最初に出荷されていく新仔を見送る時、娘を嫁にやるような気持ちになるそうだ。

 養鰻(ようまん)業の「大森淡水」の企業グループが18日、宮崎市内で鰻供養祭記念シンポジウムを開催した。うな丼、うな重の食材として日本人に欠かせない魚は研究者にとっても魅力的なようで、並々ならぬ愛着を持っていることがシンポジウムの発表内容から伝わった。

 京都大フィールド科学教育研究センターの市川光太郎准教授は、試験プールで特定の2匹が離れず行動するようになった観察事例を報告。「同じ穴にすんで食っちゃ寝、食っちゃ寝しているのではと想像して、ますますウナギへの愛着がわいた」と会場を笑いの渦にした。

 シンポジウムで講演したのは近畿大、京大、東大、北大、民間研究機関の計7人。産卵場、行動、味覚、雄雌への性分化、性成熟などテーマは多岐にわたり、完全養殖への道のりが遠いことも教えられた。知っておきたいのはウナギについての研究は進んでいるが、まだまだ分からない点も多いということ。

 シラス漁獲量を心配する私たちだが良いことのあった日や元気になりたい時には食べたいうな丼、うな重。資源保護に関心を持ち、生産者の心を思っていただきたい。ノーベル賞は難しい分野と聞いたが将来も不安なく食せるよう頑張ってほしい研究者たちだ。

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