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昆虫食は当然

2019年8月26日
 クワガタやセミをつかまえようと野山を走り回った夏の暑い日を思い出す。どうして、飽きなかったのだろう。見て楽しむだけでなく、ほかの目的で昆虫を採集した遠い祖先の記憶が残っているのだろうか。

 宮崎市の宮交シティで開催中の特別展「ムシとあそぼう!大昆虫展」が大にぎわいだ。一番の人気は、カブトムシやノコギリクワガタなどに直接触れることのできるコーナー。子供はもちろん、一緒に来た親たちも昔の感触を懐かしむように熱心に観察している。

 世界中から採集した貴重な昆虫の標本も、独自に進化を遂げた虫の不思議な生態が分かって時を忘れてしまう。出口に近い一角では昆虫食を展示。煮たイナゴのように形がそのままの物もあれば、粉末にして加工したお菓子など既にさまざまな商品が出回っているそうだ。

 係の人に「これがおいしいんですよ」と指されたのが、何か小さい幼虫。正直言って食欲がわかないが、昆虫食は世界の食糧難の救世主とも言われており、味の好みなど言ってられない時が将来来るかもしれない。国連食糧農業機関も昆虫食を推奨しているのは、栄養価が高く確保が簡単だからだ。

 文化人類学者ダニエラ・マーティン著「私が虫を食べるわけ」によると「昆虫食は遠い昔の習慣が目に見える形で残った数少ない例」として、雑食の人間にとって昆虫食は当然と説く。将来を担う世代に認識してほしい食の過去と未来。同展は9月1日まで。

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