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不眠症から悪夢へ

2019年8月24日
 韓国政府が日本に破棄を通告したGSOMIA。軍事情報包括保護協定の頭文字でGはジー、続く語はソミアと読ませるのが不思議だ。インソムニアと語感が似る。テレビでもジーソムニアと誤読を聞いた。

 インソムニアは不眠症のこと。医学的な用語が頭に浮かんだのは、日南市出身の歌手・鬼束ちひろさんの大ヒットした「月光」を収録する初アルバム「インソムニア」の印象が今も強いからだろう。もっとも本人によると、アルバムの名は「響きがよかったから」。

 Gの崩壊でインソムニアを訴える人が増えるかもしれない。直接やりとりしていた軍事上の機密情報が米国を介することになり、効率が悪いだけでなく第三国への漏えいも心配される。対北朝鮮対応で日米韓の連携に緩みが生じ、中国やロシアも脅威を増すかもしれない。

 破棄はない、という見方が強かったが、文在寅(ムンジェイン)大統領は国民に高まる反日世論を重視したようだ。専門家は、破棄のデメリットは日本より韓国が大きいとみるが、これまでの文政権の外交姿勢を見ると「何をしても日本が結局は折れる」「いざとなれば米国が助けるはず」という甘えが垣間見える。

 日本でもネット上では「破棄上等」という意見を散見するが、防衛上の懸念が増大したことは深刻に受け止めた方がいい。不眠症ならまだしも、現実の悪夢となっては取り返しがつかなくなる。歴史問題で生じた溝を安全保障協力にまで拡大させてはならない。

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