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2019年7月22日
 期日前投票も考えたが、都合をつけて昨日の参議院議員選挙投票日は近所の投票所へ足を運んだ。本番当日の方が、自分が芝居の主役になったような快感が得られるからだ。

 会場の小学校体育館には整然と係員が配置されている。投票用紙を受け取り、久しぶりに鉛筆の感触を味わいながら候補者名を書いた。選挙区と比例代表の2枚。花道、いや会場を一巡すると、選挙権を行使しただけなのに、妙に得意な気分になるから不思議だ。

 三々五々訪れた住民も、立会人が見守る中で粛々と投票を済ませていく。立会人から「お疲れさま」と声をかけられて、大役を果たした満足感に包まれた。日常では味わえないハレの舞台。だが残念ながら降板した人が多かったようだ。

 昨日の本県における投票率は41・79%。過去最低を更新した。悪天候が投票を鈍らせた面はあるが、争点が切実に響かなかったのだろうか。年金問題、消費税増税は生活に直結するテーマのはずだが「投票しても表舞台からは遠い」というあきらめも感じられた。

 政治の舞台では、国民こそ主役であって端役ではない。そして選挙の後も舞台は続く。政権は非改選も含めて議席の過半数を維持したが、全決定権をゆだねられたわけではない。筋書きのないドラマは国民次第で喜劇にも悲劇にもなる。

 芝居から生まれた言葉に「馬脚を現す」がある。公約を反故(ほご)にする当選議員に当てはまるが、主役の有権者も選挙後に無関心をさらしては馬脚を現しかねない。選んだ議員が掲げた配役を務めているか厳しく監督し、共演する責務があろう。

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