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マラソンとイヤホン

2019年6月21日
 作家の村上春樹さんはマラソン愛好家で知られるが、米国の運動具メーカー・ナイキの敷地内にある「究極のジョギングコース」を試走した体験をエッセー集で記している。

 「鳥の声を聴きながら美しい森を抜け、なだらかな丘陵を上下」する3キロ。「毎日自由に使えたら人生はどれほど心安らかになるものだろう」と絶賛。日本でのお気に入りは京都・鴨川沿いとか。女子校の生徒が「おはようございまーす」と大声であいさつする。

 「そういう時には、人生も世界もまあそんなに悪くないかなと思う」そうだ。走っている時間は自分と向き合う貴重な時間と考えるランナーは多い。「仕事のアイデアが浮かぶ」「四季折々、自然の変化を体で感じる」など人それぞれだ。

 最近はイヤホンを着けて走る人をよく見る。携帯型のオーディオが小型化して、どこでも音楽などを楽しめるからだ。むろん各自が自由なスタイルで走っていい。ただ車が多く行き交う道路などでは、安全面から周囲の音にもう少し注意した方がいいかとも思う。

 第33回青島太平洋マラソン(宮崎市・12月)の実行委は、参加者にイヤホンは片耳だけにするよう求めている。前回大会で、緊急車両のサイレンや呼び掛けに気付かなかった人がいたためだが、ランナー自身の危険察知のためにも勧めたい。

 長時間のイヤホン着用が耳の中を高温多湿にして障害をもたらすと、テレビで医師が警鐘を鳴らしていた。長くても3時間以内が目安。サブスリー(3時間以内にフルマラソンを完走)は厳しくても、こちらは意識すれば達成できそうだ。

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