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ラグビーが鍛えた自主避難

2019年6月13日
 身長2メートルを超える選手もいれば、166センチと割に小柄な選手もいる。体重は最大が122キロ。最小でも70キロを超えるが、意外なほど体格的に大きな選手だけではないようだ


 チーム競技で、これほど体格がバラエティーに富んでいるスポーツ競技がほかにあるだろうか。ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会(9月開幕)に向けて宮崎市・シーガイアでの合宿のため、宮崎空港にずらり並んだ日本代表選手を不思議な気分で眺めた


 日本代表が活躍した2015年イングランド大会以来のにわかファンなので聞きかじりだが、これほどどんな体格でも、足の速さや運動神経も関係なく、だれでも参加しやすいチーム競技はないらしい。各自に応じたポジションがある


 11年3月の東日本大震災で津波に襲われた岩手県釜石市では1100人以上の犠牲者が出たが、小中学生ほぼ全員の約3千人が自発的に迅速な避難をして助かった。震災前から防災教育が行き届いていた成果だが、ラグビーの効用も少なくないという指摘がある


 新日鉄釜石ラグビー部の存在で知られる釜石市はW杯の開催地にも選ばれた「ラグビーのまち」。個人が役割を十分に果たすことで全体を強固にするというラグビーの精神が子供たちに浸透していて「釜石の奇跡」につながったと聞く


 牽強付会(けんきょうふかい)は慎みたいが、試合後も相手チームに感謝する「ノーサイド精神」は自然との向き合い方に通じるなどラグビーには学ぶものが多い。宮崎合宿は7月17日まで。本県で鍛えた日本代表が再びW杯で活躍することを期待し応援したい。

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