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ファーストポート

2019年6月11日
 最近、日南市の油津港に寄港した国内最大級のクルーズ船「飛鳥2」(5万142トン)の船内見学会に参加した。往復はがきで申し込んでいたのが幸運にも当たったからだ。


 客として乗船して優雅な船旅を楽しむ機会はなかなかありそうもないので、雰囲気だけでも味わいたかった。世界には、トン数で数倍上回る巨大な豪華客船があるのは知っているが、埠頭ふとうから見上げると新たなビルが海面に立ち上がったような迫力に圧倒される。


 乗組員の案内で船内を巡ったが、至れり尽くせりの設備に目を見張った。ダンスホールやシアターレストランなど高級ホテルと変わらない充実ぶり。エレベーターの中で「右舷」「左舷」の表示を見て、船の中にいることを思い出した。


 出かけず船内の生活を楽しむ人もいるが、ほとんどの客はバスに分乗して飫肥や日南海岸を観光している。別の船だが、テレビでクルーズ船の客がカツオ飯の調理体験を楽しむ光景があった。こういう体験型観光を通して住民の触れ合いがもっと生まれるといい。


 県は油津港を「ファーストポート」にする環境整備に乗り出す。現在は検疫業務を福岡からの出張に頼るため、客船は設備のある港に寄港した後でないと入港できない。現地でできれば、最初の寄港地に選ばれ入港が増える可能性がある。


 クルーズ旅客数は減っているが、入港の経済効果は大きく受け入れ態勢の整備が課題。訪日外国人の志向は買い物や名所巡りから体験型観光に移りつつあるという。山村体験やサーフィンなど、本県ならではの歓待で感動させたいものだ。

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