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どうなる新幹線

2019年5月24日
 漫画「キン肉マン」の超人オリンピック予選の種目の一つが「新幹線アタック」。東京駅を起点に0系の先頭車を押し出し、より遠くまで走らせた超人が高得点を獲得する。

 ある超人は押し出した新幹線の行き先に子犬がいるのに気づいて車両をストップさせる。立派な行動だったが動き始めた新幹線に触れてはいけないというルールのため失格になってしまう(グループ・ニヒト著「名言VS名言 賢者の言葉をどう人生に活かすか」)。

 九州新幹線長崎ルートの整備計画が暗礁に乗り上げている。政府、与党は未着工の新鳥栖-武雄温泉間をフル規格で建設したい考えだが、巨額の負担を求められる佐賀県が猛反発。打開策は見つかっておらず着工見通しは立っていない。

 当初、長崎ルートには、新幹線と在来線を走行できるフリーゲージトレイン(FGT)を導入、同区間は在来線線路を使う計画だった。工費はフル規格より安くつくため新幹線は必要なしとする佐賀側も渋々同意したが、FGT開発が頓挫したためのごたごただ。

 長崎県選出の衆院議員が、反対する佐賀県知事に対して「韓国か北朝鮮を相手にしているような気分だ」と暴言を吐くなど対立は泥仕合の様相を呈す。だが新幹線整備から取り残された形の東九州側からすればけんかができるだけ幸せ。

 東九州新幹線の整備を前に動かすための議論を絶やしてはならない。頓挫したFGTもいずれ解決するだろう。ただ欲しいではなく、なぜ必要なのか。将来を見据えた青写真とひっくり返せないルールを作って国に訴えたい。正々堂々と。

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