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百舌鳥・古市古墳群、世界遺産登録へ

2019年5月17日
 だれが何のために描いたのか。世界遺産ナスカ(ペルー)の地上絵は大きいもので全長が285メートルもある。ほかにも巨大な絵が多くて空から見ないと形が分からないという。

 世界の考古学者を悩ます謎だが、調査の結果描かれた時期は今から2200年~1400年前ごろらしい。日本で前方後円墳が作られたのが3世紀中頃から7世紀初頭とされるから重なる時代は長い。こちらも巨大サイズが多く、地上からは形がよく分からない。

 「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」(大阪府)が世界文化遺産へ登録される見通しとなった。長さが486メートルで日本最大の前方後円墳「仁徳天皇陵古墳」(大山古墳)のほかにも円墳、方墳帆立貝形墳など49基の多様な古墳が市街地に密集している。

 昨年春に出版された「古墳空中探訪」(新泉社)という本で日本中の古墳を空撮している。「いずれも海や山、川といった地形と地理的特色をうまく利用し、耕地や道、潟湖(せきこ)といった生産・交通の地点を押さえるように造営されている」という解説がうなずけた。

 鹿児島空港からセスナ機で飛んで撮影した西都原古墳群は1985年春。データ的には古いが、花見のブルーシートが見える。太古からあまり変わらない古墳の全景に現代の生活が垣間見える様子が、かえって悠久の歴史を感じさせる。

 世界文化遺産を目指す西都原や生目古墳群。百舌鳥・古市の登録は、日本独特の古墳文化を世界に発信できた点でプラスに働くのは確か。古墳群は当面お預け、という見方もできるが、悠久の歴史に乗ってしっかり調査研究から進めたい。

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