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ウルトラマンのホントの故郷M87銀河

2019年4月12日
 ウルトラマンの故郷はM78星雲。地球との距離は約1600光年で広大無辺な宇宙の広さを考えれば比較的近い。だが知的生命体がそこから来るという設定には無理がある。

 M78は主にガス、ちりでできていて、これまで確認されている45個ほどの若い星はいずれも1億歳未満。原始生命の誕生から地球をはるかにしのぐ科学技術の文明が発達するまで必要な時間があったとは考えにくい(福井康雄監修「珍問難問 宇宙100の謎」)。

 じつは78ではなく正しくは87だったという説がある。脚本の数字を誤植したというテレビ界伝説のミスが記憶によみがえった。M87にあるブラックホールの輪郭の撮影に日本などの国際チームが初めて成功したというニュースのせいだ。

 なにせ光さえも逃れることができない「黒い穴」である。それを直接、捉えるなど至難の業であることは科学分野に疎い素人の頭でも分かる。100年以上前、その存在を予言したアインシュタインの一般相対性理論を裏付けるノーベル賞クラスの成果だという。

 M87は球状星団に取り巻かれ星の数は私たちの銀河系の10倍以上。ブラックホールは中心部にあって距離は約5500万光年。もし今、ウルトラマンが制作されたらホールを利用したワープで地球にやって来るという設定も使えそうだ。

 国際チームは、日本などが運用する南米チリの望遠鏡や欧州、南極など6カ所の望遠鏡を組み合わせて、直径1万キロに達する地球サイズの仮想的な電波望遠鏡を構築した。頭脳を結集して地球人たちが成し遂げたウルトラ級の偉業である。

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