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豚コレラとイノシシ

2019年2月9日
 都城市の山之口麓文弥節人形浄瑠璃資料館を見学した後、もらった地図を手に麓地区を散策した。武家屋敷の面影が残る町並みを歩いていたら「石敢當(せっかんとう)」がいくつかあった。

 石敢當は、厄よけのために道路の突き当たりや玄関に置かれた石碑。よく沖縄の街角や土産店で見かけるので、身近での発見は意外だったが、琉球から鹿児島に伝わって、本県でも古い町並みでは今も残るという。特に沖縄と関係が深い土地に多く伝わるようだ。

 マジムンといわれる沖縄の魔物は真っすぐにしか進めない。突き当たりでは家に入ってしまうので撃退するのが石敢當。マジムンはヘビや牛などの姿をする。突進する性向がイノシシみたいと思ったが、それはなく豚の姿はあるという。

 イノシシにも効果があるなら県境に設置したい石敢當だ。昨年9月に岐阜市の養豚場で国内26年ぶりに発生した豚コレラは5府県に拡大。感染を広めている最大の容疑者が野生のイノシシだ。豚の飼育頭数が全国2位(約85万頭)の本県としては絶対に阻止したい。

 瀬戸内海の島がイノシシによる農作物被害に悩まされている。島なら駆除も簡単かと思ったら甘かった。テレビで映像を見たが、イノシシは海も泳いで渡る。全国的に増えているイノシシが活動を活発にするほど感染拡大の恐れがある。

 だがイノシシだけのせいにするのは今年のえとに失礼だ。愛知県での感染は人や車による媒介が疑われている。ウイルスという魔物の県内侵入を防ぐ石敢當は、徹底した消毒と封じ込め。関係者は総力挙げて防疫態勢を再点検してほしい。

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