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風と共に去りぬ

2019年1月6日
 「風と共に去りぬ」(マーガレット・ミッチェル著)のヒロインスカーレットはアメリカ南部で大規模な農場を営む裕福なオハラ家の娘。気位が高く、意志が強く独善的だ。

 ただ一家に仕える乳母のマミーには逆らえない。その乳母が守り続ける鉄則は「パーティーに出かける前、オハラ家の令嬢たちに腹ごしらえをさせること」だ。かくしてスカーレットらはシロップがしたたるホットケーキやらハムやらのおやつを食べさせられる。

 良家の令嬢たる者ががつがつしてはいけないという理由からだが、スカーレットら若い娘にとってパーティーが楽しい社交場であることには変わりない。華やかな衣装選びにすっかり夢中だ(ディナ・フリード著「ひと皿の小説案内」)。

 楽しいとはほぼ無縁で、お金を集めるための手段と化しているのが政治絡みのパーティーである。県保育連盟連合会(県保連)が、国への陳情活動のため保護者や保育士から集めたカンパ金を全国組織の自民党系政治団体や県支部に支出していたことが分かった。

 カンパ金はこれらの団体を通して厚労族議員らの政治資金パーティー券購入費に充てられていた。カンパを促す文書には党や議員を支援することは明記していなかった。政資法が禁じる行為で徴収から献金まで構造的不正の疑いがある。

 使途を知らぬままカンパに応じた関係者もいたはずだ。孫を保育園に送迎するとき垣間見る園舎内の様子は楽しげながらもつつましい。法に触れず有効なカンパの使い道があるだろう。あと一つおやつがあれば子どもの笑顔がもっと輝く。

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