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強い馬が走ると馬券が売れるという常識

2018年12月24日
 名刺大で簡単に折れそうな薄い紙。つるつるした表面の中央には安っぽい赤色のスタンプが縦に押され、ハートマークとカタカナの「ハルウララ」の五つの文字が並んでいる。

 2004年3月22日の高知競馬場。デビュー105連敗を記録していたハルウララに天才騎手の武豊さんが騎乗した最終レースの単勝馬券だ。なんと1億2千万円以上も売れたが、本当はもっと売れるはずだった(野元賢一著「競馬よ!夢とロマンを取り戻せ」)。

 この馬券を求め、競馬場には朝から長蛇の列ができた。主催者の高知県競馬組合はハルウララの単勝専用の売り場を設ける異例の対応を取ったが午後になっても列は途切れず、そのまま発走時刻を迎えたため買いそびれた人が大勢いた。

 きのうの県知事選で河野俊嗣さんが勝って、引き続き県政のかじ取り役を担うことになった。投票率は過去最低の33・90%。河野さんは得票と投票率の向上も重要なテーマに掲げより多くの県民から信任を得るかたちにしたい、と願ったが不満足な結果になった。

 さしもの天才・武豊をもってしてもハルウララは11頭中10着に沈む結果に。行列に並んだ人たちにとって、馬券は夢を見るためのもので応援も兼ねた記念品。万一ハルウララが勝っても持ち帰る気でいた人が、大半だったとされている。

 ただしハルウララは例外で、きのうの有馬記念がそうであるように競馬には「強い馬が走ると馬券が売れる」という常識がある。3期目の河野さんに期待したいのは県民の夢をかなえ、こぞって応援の1票を投じたくなる強い手腕である。

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