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ハナミズキの紅葉

2018年11月8日
 宮崎市・県立図書館の傍らに立つハナミズキの葉がすっかり赤くなった。枯れて落ちるのも早く、地面を真っ赤に染める風情は日本的な情緒だが、北米大陸原産の落葉樹だ。

 1912年に東京から米国のワシントンDCにサクラのソメイヨシノを贈った返礼として、15年米国から贈られたのが日本における植栽の始まりという。太平洋戦争中は受難の憂き目に遭ったが、現在は街路樹や公園の木として県内各地で見かけるようになった。

 ハナミズキの模様替えに合わせたように、米国の政界模様も大きな変化があった。共和党のトランプ大統領にとって初の審判となった中間選挙。上院は共和党が過半数を維持したが、下院は民主党が多数派を奪還。ねじれ状態となった。

 移民、社会保障、貿易など争点はあったが、実質はトランプ氏の大統領としての資質が問われる異例の中間選挙だった。先の大統領選で大方の予想を覆された米マスコミは票読みに慎重だったが、実際、多様な意見が激しく流動しているのが米国の現実なのだろう。

 他国のことでも静観できない。両院で共和党が多数を占めたら、通商政策で日本に譲歩を迫るトランプ氏が勢いづいただろう。農産物の市場開放も圧力を強めたはずだ。気は抜けないが、本県のような農業県は、とりあえずほっとした。

 気になるのが選挙戦であらわになった“トランプ的なもの”の台頭だ。過激な差別発言をする候補が保守層から支持を得るなど、米国民の分断は進む。勢力地図の変化が修復に効果があれば、来春ハナミズキの花をもっと楽しめるのだが。

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