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馬は絵になる

2018年11月7日
 ラウル・デュフィ(1877~1953年)はフランスの画家。競馬と競馬場をこよなく愛した人物として知られる。有名な彼の作品のひとつが「エプソムの優雅な人々」だ。

 フランスはもとよりエプソム、アスコットなどイギリスの競馬場までたびたび足を運んで馬やレースに熱狂する観衆をスケッチ、色と描線を重ねる独特の画法で競走馬をまるで「軽やかに画面を横切っていく音符」のように描いた(水彩で描くシリーズガイド)。

 先の日曜日、綾町北俣の綾馬事公苑内錦原競馬場で恒例の綾競馬が開かれた。サラブレッドやポニー計49頭が出走したレースやJRA宮崎育成牧場のポニーショーなど盛りだくさんのプログラムを約2万3千人の観衆と一緒に楽しんだ。

 アユ甘露煮など地元特産品を購入して馬券に相当する「お楽しみ券」を入手する仕組み。レース結果に一喜一憂する人たちの最前列にはアマチュアカメラマンの姿があちこちにあった。目下、開催中の宮日美展の来年度出品作をものにしようと狙う人もいたはずだ。

 デュフィを競馬場に連れ出したのは知人のファッションデザイナーだった。デザイナーの目的はそこで女性たちが身につけているおしゃれな服を見せることだったが、デュフィはそれより走る馬や騎手たちの騎乗服に魅せられたという。

 宮崎神宮では流鏑馬(やぶさめ)が行われ神武さまの華はシャンシャン馬。美郷町の御田祭や三股町のジャンカン馬踊りもあり都井岬の岬馬が草をはむ。馬との距離が近い本県をデュフィが旅行者として訪れたらどんな絵を描くだろう。空想が膨らむ。

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