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カタールの地図

2018年10月27日
 国際線でカタール航空の飛行機に乗った時驚いたことがある。座席前のモニターで飛行ルートを示す世界地図を見た。日本を拡大すると南九州は「都城」だけが載っている。

 以前小欄で紹介したところ反響があって、都城市の人からも問い合わせがあったので写真を送った。写真を見返すとやはり選択基準が不思議。東京はあるが、関西は神戸、田辺と串本(和歌山)、四国は高知だけ。九州はほかに福岡、佐賀、別府、熊本、八代が載る。

 同航空はカタールの国営会社。同国は“中東の盟主”ことサウジアラビアとは敵対関係で、中東では一匹おおかみのような外交路線が目立つ。世界地図にも独自の世界観が反映しているのかもしれない。都城が載る本県は少しうれしいが。

 シリアで行方不明だった記者の安田純平さんが無事日本に帰還できて安堵(あんど)した。武装勢力による3年4カ月の監禁は「地獄だった」という。ゆっくり静養して、いずれ現地の状況を教えてほしい。安田さんの解放に関わったとして、カタールが存在感を示している。

 同国はシリア政府に対抗する武装勢力に影響力を持つ。善悪の単純な色分けはできないが、カタールが描く戦略的な“地図”上で監禁が利用された節があり複雑な思いもする。カタールと連携するトルコも安田さん解放の発表が遅かった。

 身代金の有無、どこが主導したのか、など解放の経緯は不明のままだ。今後も情報公開はあまり期待できない。ただ日本が、トルコやカタールに“借り”ができたのは確かなはずだ。サウジとの関係もあり難しいバランス飛行を強いられる。

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