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水星探査

2018年10月22日
 ソ連の金星探査機ベネラ9号が金星を回る軌道から降下カプセルの軟着陸に成功、厚い雲に覆われたなぞの星の地表の気圧と温度が分かった。43年前のきょうのことである。

 90気圧455度。美と愛の女神ビーナスの名称を与えられた輝く星は、人間が直接降り立つことを許さない過酷な環境だった。地球より太陽に近い距離を回る星である。高温は予測されていたはずだが探査機を送ってまで確認したいと思うのが科学者なのだろう。

 金星のさらに内側、最も太陽に近い軌道を回っている水星に向けて日欧初の探査機が出発した。日本の「みお」と欧州の「MPO」だ。二つの探査機はつながれ太陽電池パネルを備えた輸送機に導かれる。到着までに7年の歳月を要す。

 「みお」の役割は磁気圏や大気など水星周辺の環境観測。一方の「MPO」は地形や地表に含まれる鉱物などを調べる。これまで水星を訪れた探査機は意外なことに米国の2基のみ。日欧分業がうまくいけば地球と同じ岩石型惑星のことが詳しく判明するだろう。

 何十億年も先、膨張する太陽にのみ込まれて地球最後の日を迎えるという終末予測がある。その前に水星、金星が危機に瀕(ひん)するわけで人類が生き延びていたらこれらの星への探査が高温化対策や火星への移住計画に役立つかもしれない。

 先月、種子島から夜打ち上げられた「こうのとり」7号機搭載のロケット軌跡は本県でも確認された。「みお」の出発地は仏領ギアナ。願わくば国産探査機は種子島から夜、旅立ってほしい。見送れば愛着も強まり、成果への期待もふくらむ。

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