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サーブさながら大坂発言

2018年10月8日
 スポーツ界で最も旬な選手は全米オープンで初優勝した女子プロテニスの大坂なおみさんだろう。言動に注目が集まるが、気の利いたことを言おうとしない点に好感を抱く。

 「試合中、感情が揺れることをコントロールできたら」「勝つことは楽しい。負けたらがっかりだけど、世界の終わりではない」。日本語の語彙(ごい)力の問題もあるが、いわば当然すぎることをかみしめて言う。しかし積み上げてきた実績が発言にも重みを加えている。

 体育の日。晴天が多いとして1964年の東京オリンピック開会日になった10月10日に執着する人も多いだろうが、今は10月の第2月曜日と定められている。だがその「体育」の日もまもなく平成とともにお別れすることになっている。

 2020年度からは「スポーツの日」に改称する。ちなみに同年度は7月24日だ。体育というと学校の教科の一つとして義務感が伴うが、本来運動やスポーツは楽しんで、または健康のために自発的にするもの。休日の趣旨からすると、スポーツの方が合うようだ。

 むろん改称は東京五輪・パラリンピックの年に合わせて。まさにスポーツ振興の弾みとする大事な行事だが未解決の課題も多い。暑さ対策、交通機関の混雑、宿泊先不足のほか、厳しすぎるボランティアの参加条件も問題になっている。

 サーブさながら大坂さんの強く真っすぐな物言いからは、スポーツは本来、自分の素直な欲求に従ってするものと教えられる。五輪の課題は難問だが、純粋な競技精神、市民のボランティア精神をねじ曲げない形を基本に解決してほしい。

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