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初入閣の横顔紹介

2018年10月4日
 9月29日は江戸時代の国学者本居宣長の命日だった。とはいえそれは旧暦で、今の暦では11月5日となっている。宣長の随筆集「玉勝間(たまかつま)」の中に、おもしろい一文があった。

 初めて接する人物や物を説明する場合「いかに詳しく言ひても、なほ定かにさとりがたき」。目や口の形をくどくど言っても分かりにくい。それより「同じ類ひの物をあげて」つまり似ている人を挙げた方が説明は少なくても、はるかにいきいきと伝わるという。

 発足した第4次安倍改造内閣は初入閣が12人もいる。一覧表に知った顔もあるが、全員覚えるのはなかなか大変だ。似た政治家を当てはめるのもいいが、本紙または他紙に載った横顔紹介からイメージを肉付けすると覚えやすいようだ。

 文部科学の柴山昌彦さんは学生時代、YMOのコピーバンドを組み、歌手を夢見たこともあるとか。若い芸術家や研究者が希望を持てる新たな施策を求めたい。地方創生、女性活躍の片山さつきさんは故サッチャー英元首相を尊敬。押しの強さはイメージ通りだ。

 五輪の桜田義孝さんは大工出身。暑さやボランティア、輸送などの課題に対策を組み立てていく腕前が見どころ。気になる農林水産の吉川貴盛さんは、特筆すべき趣味はないが農政通。市場開放の圧力に屈しない将来像を描いてほしい。

 安倍首相は「全員野球内閣」を掲げる。有力選手が乏しい時に言われることが多い「全員野球」。監督=首相としては実力未知数の閣僚たちを鼓舞したいのだろう。失言や不祥事ではなく、確かな実績で顔を覚えられる仕事を期待したい。

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