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まずは先立つもの

2018年7月12日
 一昨年の熊本地震から3カ月後、熊本市で自動車用品や日用品を販売する店の社長と話した。会社でも被災者がいたが、生活必需品の需要が多く、すぐに店を開けたという。

 「何がよく売れたと思いますか」と尋ねられ、「ブルーシート」と即答したが「いや意外に車のサイドミラーだったんです」と言われた。被災地周辺は細い山道が迂回(うかい)路だったのだろう。支援物資を届けるトラックなどがミラーを破損する事故が多かったようだ。

 大規模な災害が起きると、多くの被災者が避難所で不自由な生活を強いられる。全国から多くの支援が集まり、さまざまな物資が届けられるが、緊急的に必要な物は被災者に聞かないと分からなかったり、意外な物だったりするようだ。

 東日本大震災後、宮崎市の知人は、空気で膨らませて跳びはねる大がかりな遊具を持って被災地に駆け付けた。娯楽の少ない避難所で暮らす子どもたちに大喜びされた。今回の西日本を襲った豪雨でも多くの被災者が出ている。今はどんな支援が必要なのだろう。

 熊本市の大西一史市長は8日「熊本地震の際全国から物資が大量に届き本当に有難(ありがた)い半面」人手不足で大混乱したとして、「言いにくい事ですが今は物資より義援金など金銭的な支援が一番良い方法だと思います」とツイートしている。

 支援物資が山積みのままだったり、作業の支障になったりすれば、せっかくの善意が無駄になる。現地のニーズが見えてくるまでは、まず「先立つもの」が重宝するようだ。宮日会館と県内支社・支局でもきょうから義援金を受け付ける。

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