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ウルトラマンの働き方改革

2018年7月2日
 昔、即席カップラーメンのコマーシャルにサラリーマン姿のウルトラマンが登場して話題になった。エリートだが地球籍がまだなく故郷の星から通勤しているという設定だ。

 熱いやかんに触ってジュワッチ!(アチッ)、3分たったのでラーメンに手を伸ばしたところでネクタイのタイマーが鳴って食べられずグヤッチ!(悔しい)。おなじみシュワッチの掛け声がギャグに転用されていた(熊野卓司著「CM界名コピー・珍事件」)。

 3分で怪獣、異星人退治の大仕事を毎週やってのけたウルトラマンは成立した働き方改革関連法をどう見るだろうか。残業規制に抜け穴がある、と指摘され、非正規労働者の処遇改善には正社員の労働条件切り下げの懸念もつきまとう。

 残業は単月で、どれだけ長くても100時間未満としたが、労災事案で働き過ぎと脳・心臓疾患との因果関係を認められる「過労死ライン」ぎりぎりの水準。残業代支払いなどの対象外となる高度プロフェッショナル制度(高プロ)の対象業務拡大を懸念する声も。

 CMには続編があって、晴れて地球籍をもらえた着物姿のウルトラマンがマイホームで書道にいそしんでいる。往時をしのびながらラーメンを食べ、今度はウマイッチ(うまい)と叫ぶわけだが墨書された文字はなぜだか「重労働」だ。

 成立はしたがシュワッチと快哉を叫ぶわけにはいかない働き方改革法である。時間に追われ昼食抜きになるような過重労働や隠れた残業が発生しない監視の目が必要だろう。もう一つ。高プロはウルトラマンのような超人限定で願いたい。

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