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審判は神様

2018年6月30日
 審判の権威はブルース・フレミングさんを抜きには語れない。18歳で審判になり、メジャーリーグ最年長の68歳2カ月になるまで37シーズンも君臨したアンパイアの神様だ。

 まだマイナーリーグの駆け出し審判だったころ、その名を世に知らしめた有名な出来事があった。彼のジャッジを実況で批判した球場のアナウンサーを退場させたという。国際ビジネス・コーディネーターとして活躍する烏賀陽正弘さんの著書に教わった逸話だ。

 きのうとおとといを挟んだW杯ポーランド戦で敗れて、セネガルと勝ち点、得失点差などで並んだが順位規定で日本はH組2位、次に進む権利を確保した。セネガルと日本の泣き笑いを分けたのは、双方に積み重なった警告の数だった。

 押したり、ユニホームをつかんだり、足をひっかけたりのプレーが茶飯事のサッカーである。特に得失点につながるゴール近くのエリアではシュートを阻もうとするディフェンスの選手は体を張る。赤はともかく黄色のカードが出るか出ないか際どい判断になる。

 烏賀陽さんの本の続きにあった話。天国と地獄で野球をすることになった。天国チームは「うちにはベーブ・ルースもジョー・ディマジオもいる」と自信満々だ。だが地獄チームの悪魔はこう言い返す。「俺のところには審判がいるよ」。

 フェアプレーポイントの差とは、審判の裁量で天国行きか地獄行きが決まるということ。神様もほほ笑むプレーで決勝トーナメントも番狂わせを演じたい日本代表である。運を天に預けたボール回しもうまくいった。ツキはわれにあり、だ。

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