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学校の危機管理

2018年6月29日
 不審者の侵入を想定して県内の小学校であった避難訓練。刺股で犯人役の警察官を取り押さえようとした女性職員は「『全然力が足りない』と注意された」と苦笑していた。

 さらに「無理せず通報して」と言われたという。刺股は長い柄にU字形の金具が付いた道具。不審者を離れた距離から抑え込むことができるので県内の学校や保育所で配備が進んでいる。1人では難しくても集団で不審者を取り囲めば、結構効果を発揮しそうだ。

 とはいえ死に物狂いで暴れられたら手に負えない。凶器をふるう姿を現前に見れば恐怖に足がすくむことも必至。訓練は欠かせないが、現実には時代劇の捕り物みたいにはいかないだろう。児童生徒を守るために教職員の安全も大事だ。

 少しでも無理に思えたら素早い通報と避難に傾注した方がいい。もしその場にいたら、と震撼したのが富山県で発生した発砲事件だ。交番で警官を刺殺して拳銃を奪った容疑者は、小学校の正門近くで工事の警備員を射殺した。おのやナイフなども所持していた。

 容疑者が小学校に侵入した理由は不明だが、児童らは体育館に避難して無事だった。教諭たちが刺股やほうきを手に出入り口を警戒したという。結果論になるが下手に容疑者を刺激せず、児童や教諭への危害を避けられたのはよかった。

 刺股ぐらいしか防御手段がない学校。防犯のために閉めきるという意見もあるが地域に開かれた学校の理想からは遠のく。あらゆる事態を想定して避難マニュアルを煮詰めなければならない。地域の課題としてまずは危機感を共有しよう。

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