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ストーカーの治療

2018年6月27日
 東京は本郷の某女学校に通う生徒。通学路で出会う、某私立大学のバッジをつけた男子学生につきまとわれていて「私の住所はここだから手紙をください」などと言われる。

 しつこいので「顔につばをふきかけて」やったら男は「覚えていろ」と恐ろしい顔をして去った。怖くなって道を変えて通っているが「あのような無法者です。いつ仕返しされるか分かりません。どうしたらいいですか」。明治42(1909)年、都(みやこ)新聞の相談欄。

 都市部に人口が流入し、この手の事案は増えていたことだろう。回答者は、友人と通うことと「一応警察署へ」届け出ることを勧める。とはいえストーカーの言葉も規制する法律もなかった時代だ。警察が十分に対応できたかは疑問だ。

 今は違う。2000年のストーカー規制法施行から積極的な警察の対応が知られたこともあって、相談件数はうなぎ上りだ。昨年1年間にストーカー事案で県警に寄せられた相談件数は380件(前年比84件増)、警告は100件(同43件増)でともに過去最多。

 内容は悪質なつきまといや待ち伏せが多い。警告を受けても、ストーカーを続ける加害者が多いという。先日、女優の菊池桃子さんにつきまとい行為の疑いで逮捕された容疑者は、3月にストーカー行為で現行犯逮捕された人物だった。

 再犯防止には被害者に執着する意識を取り除くのが重要となる。県警と県精神科病院協会、県精神科診療所協会は加害者の治療に関する協定を結んだ。被害者の安心・安全が主目的だが、制御できない心に苦しむ加害者にも救いになろう。

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