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田んぼ応援団

2018年6月22日
 ドジョウ、タニシは田んぼが大好き。その証拠に人間の手が入っていない自然環境よりもたくさんすむ。ミズアオイ科のコナギ、オモダカ科のオモダカなどの雑草もそうだ。

 水田に見られるこれらイネ以外の草本は「水田雑草」と呼ばれ、インド、中国から日本へ、さらに東南アジア、南米へ人間が水田を広げていくに従って生息域を拡大してきた。このためかなりの種類が世界中で共通する(中山一大・市石博編「人類学63の大疑問」)。

 霧島連山・硫黄山の250年ぶりの噴火後、えびの市の長江川が白く濁ったため流域の一部の農家は今季の米づくりを断念した。作付けできた農家は作付けできなかった農家のことも思いながら例年にも増して米づくりに意欲を燃やす。

 市内ほぼ全域に点在する約20ヘクタールを作付けする米づくり一筋の農家の後継者原田直紀さん=向江=と弟の直史さん=西川北。地元屈指の米づくり名人で、生産したヒノヒカリが2015年産コメの食味ランキングで本県初の最高評価「特A」に輝いた宮崎弘昭さん。

 後継者不在や高齢化で耕作放棄地が増え続け、地域の農業が先細りすることを憂慮した7人の農家が昨年4月に立ち上げた農業法人「西郷営農」。本紙では3組の農家や農業法人の一年を追い、自然災害に負けまいと奮闘する姿を伝える。

 直近の検査で長江川の水質が大幅に改善したのはよい兆しだ。だが今年が試練の年であることに変わりない。えびの米ブランドを守るため試練に立ち向かう農家の応援団になりたい。ドジョウかタニシか水田雑草の一草になったつもりで。

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