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前を向く2両

2018年6月7日
 先週、出張先の新潟市でホテル行きのバスを待っていたら電車みたいな2両編成がやってきたので驚いた。BRT(バス高速輸送システム)で、導入された連節バスだった。

 ふつうの路線バスとは違って定時性を確保するため快速運行され、基本的にはJR新潟駅と一部の郊外線バスとの乗り換え拠点になっている青山(西区)との間の約7キロを効率的に結ぶシャトルのような役割を担う。2両はだてではなく大量の乗客をさばくためだ。

 BRT開始から2年9カ月。当初さまざまなトラブルに見舞われ賛否が交錯した。新潟日報によると乗り換え、バス待ちへの不満が大きく、直行便増などの対応や慣れで苦情は減りつつあるがシステム前のダイヤに戻せの声が消えない。

 さて3月ダイヤ改正後に一時、1両編成となり通学に支障が生じたJR吉都線の朝の便についてだ。えびの市PTA連協は先月、常時2両編成を求める要請書と市内の小中学校の保護者や教職員らから集めた2442人分の署名をJR九州鹿児島支社に提出した。

 朝の便は午前6時54分に鹿児島県湧水町の吉松駅をたち、都城方面に向かう。ダイヤ改正後の1カ月ほど1両のみで運行されたがその際、混雑が原因で遅れ、登校に影響が生じたほか、県の調査では気分が悪くなるなどした生徒もいた。

 バスの利用者減、路線減便・廃止の悪循環を断ち切り、「持続可能なバス交通に向けた第一歩」がBRT。いわば攻めの2両編成だ。わが身を守って利用者にしわ寄せする1両に鉄路の未来はあるのか。その胸に問うてほしいJR九州だ。

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