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ご飯論法にはおかず論法で

2018年6月5日
 包丁を握り、まな板で野菜か肉かを刻んでいる女房に向かってソファで寝そべってテレビを見ながら亭主が聞いた。「何を作っているのかな」。休日の夕方近くのことだった。

 結婚以来、一度も夕食の献立を尋ねられたことなどなかった女房は、質問の真意が分からなかった。まさか献立のこととは思わず、包丁を動かす手を止め、なにばかなこと言ってるのよ、という表情を浮かべて、こう答えた。「夕ごはんに決まってるじゃない」。

 国会答弁を「朝ごはん」にたとえたご飯論法が話題になっている。「朝ごはんは食べましたか」と聞かれた場合、パンは食べていてもごはん(お米)は食べていないので答弁は「食べていない」になる。パンを食べたことは黙して語らずだ。

 「加計学園問題で今治市職員と会ったのか」と問われ「(学園関係者とは会っていたが)今治市職員と会った記憶はない」と答弁した元首相秘書官。不誠実の指摘には「今治市職員と会ったかと聞かれた。質問に一つ一つ答え全体が見えなくなった」とどこ吹く風。

 ご飯論法を用いた答弁は元首相秘書官に限らない。森友学園問題で追及を受けた前国税庁長官もしかりだ。質問者は野党議員だが答弁は国民が聞いていることを分かっていないのか。こんな答弁では政権に対する不信は強まるばかりだ。

 くだんの亭主は筆者で、その時はソファから転げ落ちそうになったが女房の答えに落ち度はない。要するに聞き方が悪かった。正しくは「夕ごはんだと思うけどおかずは何ですか」だ。野党の方々、ご飯論法を許さぬおかず論法を磨くべし。

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