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コンパクトシティーでいいか

2018年4月16日
 4分の1減。予想を上回り、絶句した県民は多いだろう。国立社会保障・人口問題研究所は、2045年の本県人口は15年に比べて25%減というかなり厳しい推計を示した。

 県内市町村はすべて減少。5~6割も減る町村もある。少子高齢化がさらに進む傾向も明らかで、多くの自治体が存亡の危機にある。急激に人口が減少する全国的な流れにあって自治体が打つ手は限られている。地道でも人口減を最小限に抑える施策を続けたい。

 具体的には雇用の確保、出産・子育てをしやすい環境づくり、移住人口の拡大などだ。「まち」の在り方も考えざるを得ない。今後は県、または市町村で「コンパクトシティー」や中核都市の考え方が主要な議論に上がってくるだろう。

 都市の機能を一定範囲に集約し、効率的な行政サービスを可能にする発想だ。生活範囲が狭くなれば、交通体系も整理され新たなコミュニティーが生まれる。ただ方向性は理解するが、政府の省庁や学者から発信されると、大都市中心の発想のようで引っかかる。

 なぜなら第1次産業を基幹産業とする本県では、生産と居住の場が隣接していて、過疎だからといって集落を切り捨ててはなりわい自体が成り立たないからだ。都市部から毎日田畑や山林に通う光景は想像できないし、現実的ではない。

 椎葉村の「かてーり」のように、山村では共同作業や分業で行う生産活動も多い。これは都市部の協働として注目される「シェアリング」の発想に近いのではないか。都市住民も巻き込んだ分業システムなど農村の基盤維持へ知恵を絞りたい。

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