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フラリーマン

2018年4月14日
 仕事が忙しいうちは「あれしたい、これしたい」と妄想が広がるが、実際に暇ができるとなかなか踏み出せない。疲れもあって「とりあえず寝るか」という人も多いだろう。

 都会では仕事が終わっても真っすぐに帰宅せず、寄り道をして時間をつぶす「フラリーマン」が急増している。「ふらふらする」と「サラリーマン」を掛け合わせた造語。社会心理学者の渋谷昌三氏が10年以上前に著書で紹介、昨秋ごろからメディアに登場してきた。

 働き方改革の流れを受けた社会現象といえよう。立ち寄り先は居酒屋から喫茶店、書店、映画などさまざま。確かに上京した折、夜中にゲームセンターから出てくるスーツ姿の中高年も見る。残業が減ったものの、手持ちぶさたな感じだ。

 政府は働き方改革関連法案を国会に提出した。労働時間規制の対象とならない「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設など問題はあるが長時間労働是正が社会的な要請であるのは確か。法律によらなくても、企業がそれぞれ真剣に取り組むべき課題だろう。

 だが早い退社はいいが、家に居場所がない、帰りたくない、以前のように残業した方がいい-。そういう「残業希望者」がいれば労働時間短縮の機運に水を差すだろう。余った時間をどう使おうか、勤勉なサラリーマンの新たな課題だ。

 歓楽街を潤すのも意味があるが、余暇を家庭や地域に還元するのが改革の趣旨と考えると、提案したいのがボランティア。宮崎市の市民活動情報誌「夢交差点」には多くの活動が紹介されている。今から有意義な過ごし方を考えていたい。

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