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仮想通貨580億円分が流出

2018年1月30日
 中国で事業を展開している宮崎市の社長さんに聞いたが、現地の取引は驚くほどキャッシュレス化が進んでいるという。つまりジャラジャラ現金を出す機会がほとんどない。

 「へえ、クレジットカードが随分と普及しているんですね」と向けると言下に否定された。「違うよ。あっちは100%近くスマホ決済。アプリを入れて銀行で手続きしないと仕事にならない」と話す。小売店でも現金で払おうとすると嫌がる店が増えているとか。

 「中国は日本を一つ飛び越えている」と言われて危機感を持った。ところが、この話を銀行マンに話すと、中国でのスマホ決済の流行には事情があって、紙幣や貨幣の信用性が著しく低いためという。スマホの普及も後押ししたようだ。

 確かに、あちこちにある現金自動預払機から気軽に現金を引き出せる日本は、ある意味で逆に恵まれていると言えようか。一方で仮想通貨ビットコインの取引は日本人が最も多いとされる。投機目当てが多いようだが、「現金信仰」も薄らいでくるのかもしれない。

 昨年あたりから急速に脚光を浴びているのが仮想通貨だ。激しい乱高下を繰り返しながらも、全体では一時100兆円に迫る規模まで拡大した。中国や韓国に比べると日本は規制が比較的緩やかで、先物取引など制度も整備されてきた。

 約580億円分の仮想通貨NEM(ネム)が流出した問題も大きな流れを止めないだろう。“現金な”当方には理解できないが、始める人はリスクを十分に認識したい。国が管理する法定通貨と異なり、仮想通貨に価値を保証する者はいない。

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