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核の時代の希望

2018年1月13日
 オリンピアンでただ一人、ノーベル平和賞を受賞したフィリップ・ベーカーの言葉だという。「この核の時代に人間にとって大きな希望は、五輪運動があるということだ」。

 ベーカー氏は1912年ストックホルム、20年アントワープ、24年パリの3大会に選手として出場し、80年モスクワ大会まで15回も五輪会場に足を運んだ。アントワープでは陸上1500メートルで銀メダルを獲得している(後藤忠弘編著「あの一言はすごかった!」)。

 北朝鮮が韓国と板門店で開いた南北当局間会談で、平昌の冬季五輪に参加すると正式に表明した。両国はオリンピック成功のために力を合わせ、北朝鮮側が高官級代表団や選手団を派遣することなどを盛り込んだ共同報道文を採択した。

 北朝鮮代表団の首席代表は「私たちの核兵器は米国を狙ったもので韓国を狙ったものではない。北南関係に関係のない問題を持ち込むのはよくない」と述べ、韓国代表団は北朝鮮に五輪で合同で入場行進することなどを求め、非核化に向けた対話再開も提案した。

 原水爆禁止世界大会のため何度も日本を訪れるなど軍縮問題に関する努力を評価されたベーカー氏が平和賞を受けたのは1959年のことだ。広島でくだんの言葉を残したオリンピアンは南北朝鮮の動きを天界から見守っているだろう。

 オリンピックに関する名言にヤワラちゃんこと元柔道選手の谷(田村)亮子さんの「最高で金、最低でも金」がある。五輪が終われば元のもくあみでは意味がない。「最高で核放棄、最低でも核放棄」。世界が絶対に譲れない条件である。

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