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間合いと間抜け

2018年1月6日
 新年早々、本県にとってもうれしい話題になったのが、箱根駅伝での青山学院大4連覇だ。陸上部の宮崎市合宿は2012年から続いており、今春も7回目を予定している。

 同大学の原晋監督は4日付「ひと」で、選手の力を引き出すために「間(ま)の取り方」の大切さを強調していた。話術も指導法の一環ととらえているからだ。テレビの漫才や司会まで参考にしているという。どんなにいいアドバイスも間が悪ければ選手の心に届かない。

 言語学者の金田一春彦は、間の取り方は日本の芸術として、「話術の神様」といわれた徳川夢声の絶妙な間の取り方を絶賛した。多弁ではないが「無言の間の表情や身振りが心にくいほど氏が演じている人間の心理を見る人に伝える」。

 歌舞伎では間が悪いと「間抜け」とされる。時間的な概念だが、距離的な感覚にも応用される。剣道や空手の経験者なら分かるのが「間合い」の大切さだ。勝敗を決する最大の要因といえる。相手の表情から出方を読み、仕掛けるために両者の距離を詰めていく。

 本県政界で今、最も間合いの難しさに直面しているのが民進党県連だろう。先の衆院選では本家である中央組織から降ってきた希望の党との合流話を拒絶。民進が分裂して新たにできた立憲民主党との間合いもなかなか見極めきれない。

 民進と立民の地方議員による地域政党を立ち上げる話が持ち上がってきた。確かに勢力が分散したままでは巨大与党に対抗できない。だが理念が違うまま間合いを詰めたらのみ込まれるだけだ。非自民勢力のたすきをどうつないでいくか。

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