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ボールの音

2017年11月13日
 ゴルフの歴史上で最も重要な出来事は何かという問いの答えはあまたあるだろうが、多くの専門家の間で一致するのは1848年のガタ・パーチャ・ボールの出現だという。

 それまで主流だった羽毛を中に詰め、外を牛皮で包んだフェザリー・ボールはスコットランドでは靴職人によって作られたが、どんなに腕のいい職人でも1日にせいぜい2個が限界だった。しかも羽毛のくずを吸い込むため肺を患い、短命な者が多かったという。

 つまりボールの供給は極端に制限されていて、それが普及の妨げになっていた。ガタ・パーチャはゴムの樹液が高温で液化し、常温で固形化する特性を利用、鋳型で量産することができた(大塚和徳著「コースが語る世界のゴルフ史」)。

 男子プロゴルフの第44回ダンロップフェニックストーナメントが今週開幕する。顔ぶれは例年以上に豪華だ。大会事務局によると池田勇太、宮里優作、石川遼選手の出場が決まり、第41回チャンピオンの松山英樹選手と石川選手とは宮崎で2年ぶりの競演となる。

 海外勢も実力者がそろう。昨年の覇者で今年の全米オープンでメジャー初優勝を果たしたブルックス・ケプカ選手、昨季米ツアー2勝のザンダー・ショーフリ選手が参戦。オールドファンには尾崎将司、中嶋常幸選手の出場もうれしい。

 量産を可能にしたうえ、固く良く飛ぶガタ・パーチャはコース設計を変え、アイアンの発達を促した。トーナメント会場に足を運んで世界最高レベルのプレーを楽しむとともにカップインするボールの音にも耳を澄ませたい今年の大会だ。

 

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