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柿根性 梅根性

2017年10月11日
 今が旬の柿にまつわる「柿根性」なる言葉がある。職場に備えてある日本国語大辞典には、渋い柿がすぐ甘くなるような、変わりやすい性質、融通のきく性質のこととある。

 根性と付くからにはもちろん人間の性格を指す例えだ。よく言えば適応力があって柔軟な思考のできる人、悪く言えば自分の信念・信条というものを持たず他人に影響されやすく、変わり身の早い人ということになろうか(神永曉著「さらに悩ましい国語辞典」)。

 きのう衆院選が公示され465議席をめぐる攻防が始まった。公示前に小池都知事が代表を務める希望の党へ野党第1党の民進が事実上合流、希望から排除されるか、小池さんに付和雷同しない民進リベラル派は立憲民主党を結成した。

 離散集合は政界ではよくあることとはいえ衆院選前にいん石が空中分解するようなのは過去に例を知らない。自民党から希望へ移る議員もいて柿根性の持ち主の多さに驚く。そういえば今回、台風の目の小池さん自身も、これまでさまざまな党を渡り歩いてきた。

 柿根性の対極が「梅根性」。梅はなかなか酸味を失わないところから意固地な性格の人をいう。江戸時代の仮名書き小説に「梅は黒焼きにしても酸っぱいままで柿はたった一夜あく抜きするだけで甘くなり候」という記述があるそうだ。

 柿にも梅にも持ち味があって柔らかな思考も、ある種のがんこさも人間に必須だろう。どっちのタイプが政治家に向いているか素人判断はつきかねる。ただし甘いばかりの公約はなめてみて本物かどうかを見分けられる有権者でありたい。

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