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二才と青年

2017年9月8日
 来年のNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」で関心の高まる西郷隆盛は13歳で元服した。元服すれば大人。武士に限らず、大人としての自覚が求められた平均的な年齢なのだろう。

 西郷は家の仕事の傍ら学問所で勉強し、武術の稽古をした。現代は子供から大人になるまでに「青年」がある。一定の責任が免除される猶予期間なので、恵まれているといえるだろう。親に保護され勉強やスポーツ、遊びに熱中できる。人生で最も輝かしい時期だ。

 薩摩藩では元服後の若者は「二才(にせ)」と呼ばれる。これも「青年」に近い概念があったといえるかもしれない。ただ、二才は、近在の年少者らにほとんど無償で学問を教える義務があって、立派な大人としての度量や責任が試されていた。

 青年のどこから大人という線引きは難しい。民法は20歳で成人と規定するが、選挙権年齢は昨年「18歳以上」に引き下げた。では飲酒や喫煙はどうするか。警察庁は、公営ギャンブル同様、現行通り20歳未満の禁止を維持する方向で検討していることが分かった。

 英語の「ヤングメン」を翻訳し、「青年」という言葉を命名した小崎弘道は本県ゆかりの牧師。「宮崎教会百年史」によると、1879(明治12)年、同志社大学を創立した新島襄とともに延岡市土々呂に上陸。県内を回って伝道した。

 飲酒、喫煙年齢引き下げには健康の観点から反対が多い。現行維持は妥当だが、選挙権引き下げの時と同様、当事者の議論が乏しいのは残念。偉い人任せでなく青年たち自身の問題として考えよう。今後の飛距離が決まる大事な助走期間だ。

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