ホーム くろしお

流木被害

2017年7月15日
 梅雨明け。と同時に猛暑が襲ってきた。海開きした県内の海水浴場から大きな歓声が響いてくる。かつては子どもたちが、よく潜水橋から川に飛び込んだことを思い出した。

 水面すれすれに架けられた潜水橋は、増水すると文字通り水面下に没し、決壊しにくい橋だ。だが幅が狭くて車のすれ違いができない。欄干がなく時々は落下事故も起きる。周辺住民は本格的な永久橋を望むが、利用者数や予算の都合で潜水橋が採用されてきた。

 高知県では沈下橋ともいう。同県をトップとして本県は全国で4番目に潜水橋が多い。九州と四国に圧倒的に多いのは、川沿いに小さい集落が形成されてきた歴史もあるが、大雨になると川の氾濫や山腹の崩壊が起きやすいためだろう。

 九州北部で大被害をもたらした豪雨で、かつてなく流木による被害に関心が集まっている。住家や橋を一挙に押しつぶす破壊力。それだけではない。雨が引いた後も道路を寸断し被災地に散乱。海に流れ出た流木は港や海岸に押し寄せ、漁業や景観の妨げとなる。

 被害が拡大した背景には、崩落しやすい山の現状がある。険しい岩峰に載った土が流れやすい地形上の問題もあるが、管理が不十分のため杉の木が倒伏しやすかったり、伐採後に植林されず土砂が流れやすい状態になっていたりもする。

 いわば人為的な要因が大きい。本県にとっても問題は深刻で、集中豪雨では大規模な山の崩落を度々経験した。適正な山の管理が被害を未然に食い止める。山林資源が再び脚光を浴びる中、林業政策には防災の視点が一段と求められよう。

このほかの記事

過去の記事(月別)