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夏の甲子園宮崎大会始まる

2017年7月11日
 前身の中等学校の大会から数えると今夏で102年になる。第99回全国高校野球選手権大会。宮崎大会が始まり、県内49校が夏の甲子園出場をかけて熱戦を繰り広げている。

 雨天のため順延した試合もある。グラウンド状態が万全といかない中、偶然の要素が勝敗を分けることもあるようだ。強豪が敗退したり、予想以上に点差が開いたりする波乱が起きているが、何のせいにするでもなく、無心にプレーする球児の姿はすがすがしい。

 他の地方大会同様、トーナメント方式で決まる県代表は1校のみ。トータルで実力の高いチームが決まるのはほぼ確かだが、1回敗れれば終わりというシステムとあって、時の運もある。思わぬ番狂わせもあるのが夏の大会の面白さだ。

 「トーナメントが生み出す独特の熱気と緊張感。高校野球最大の魅力はやはりそこだろう。日本人の心の琴線に触れる」。野球評論家の野村克也さんは近著「高校野球論」でそう指摘する。何度も戦って勝率で順位が決まるリーグ戦方式とは異なる魅力と非情さ。

 野村さん自身は峰山高校で出場した京都大会で早々と敗れ、甲子園とは無縁。一度敗れれば後がない非情さは身に染みている。だがその悔しさをばねにテスト生として南海(現ソフトバンク)に入団し、名捕手、名監督への道を歩んだ。

 野村さんは「人間的成長なくして技術的進歩なし」という。何かに打ち込むことが成長を促すという意味では逆も真だろう。非情さに泣くのは全力を尽くした者だけが味わえる特権だ。悔いのないプレーで梅雨に負けない涙を流していい。

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