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理想の牛飼い

2017年7月9日
 平安のエッセイストで鋭い観察眼を備えた清少納言はその著「枕草子」で生き物の好みについても言及している。馬は黒くちょっと白いところが交じっているのがいいとか。

 牛のおでこの部分はかなり小さめで白く、おなかの下部や足、尾の先などはすっかり白いのが好みらしい。近くの段で牛飼いについても触れているのは、この時代の貴族たちになくてはならない乗り物が牛車で筋骨たくましい牛飼いたちが身近にいたからだろう。

 大きな体格で、髪の毛にかまわず、赤ら顔で仕事をてきぱきとこなす働き者タイプが清少納言の理想だったようだ。さて本県勢が3連覇を目指す全国和牛能力共進会(全共)の県代表牛決定審査会場で出会った牛飼いさんたちのおはなしだ。

 高い技術力を持つ実力者ぞろいの2区(若雌)で小林秀峰高農業科の生徒10人が代表の座を勝ち取った。おととい審査会場で歓喜の瞬間を目撃した。発表直後に浮かべた信じられない、という表情、はじける笑顔、ほおを流れる涙にこちらの目頭まで熱くなった。

 平日は放課後5時間、休日は朝夕7時間かけて水洗いや調教、ブラッシングを続けてきた。10人の気持ちがばらばらになりかけたこともあったそうだが最後はみんなが一つになった。大先輩の教え、地域の支援ももちろんあっての快挙。

 大げさではなく本県畜産の未来と浮沈がかかった9月の全共宮城大会へ「チーム宮崎」のメンバーとして出場するが目標は優等首席(優勝)以外にない。赤ら顔のたくましい先輩たちと力を合わせて達成してほしい。本番まで残り2カ月。

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