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こだまが返るユネスコエコパーク

2017年6月16日
 「ヤッホー」。山頂で思い切り叫ぶと気持ちいい。間を置いてこだまが返ってくる。たぶん日本一のこだまの名所になるのでは、と思っているのが延岡市北西部の大崩(おおくえ)山だ。

 いくつも登山道があるが、健脚向けに人気があるのがU字形の断崖を巡るパノラマコース。長い年月の風雨で角の取れた巨大な花こう岩が、U字に沿ってにょきにょきとそびえ立つ。それぞれが絶好の展望台で、反対側の断崖に叫ぶと見事なこだまが返ってくる。

 先日山で熊本県の小学教諭と一緒になった。「こだま」という学級通信を出していると聞いて、参加者全員で叫んだら、まるで「ヤッホー」の輪唱。後日その時の動画を児童らに見せたら大喜びして、いい教材になったと便りがあった。

 「ヤッホー」の大合唱が県内の隅々まで響いていることだろう。「祖母(そぼ)・傾・(  かたむき  )大崩」地域のユネスコエコパーク登録が決定した。生物種の宝庫と言われるほど動植物の種類が豊富な地域。自然の豊かさだけでなく自然と人間社会が調和している姿が高く評価された。

 国際的なお墨付きを得て「共生社会」のモデルを世界に発信したい。ちなみに、同時に登録が決まった「みなかみ」は延岡で育った歌人牧水がこよなく愛した地。偶然というより牧水が求めていたものに世界が追いついてきたのではないか。

 こだま(木霊)はやまびこ(山彦)。自然を利用するといっても大自然こそ宝だ。可能な限り守らなければ森の精は応えてくれまい。「ヤッホー」は日本だけの呼び掛けとか。世界に発信して外国人はどう応えるのだろう。楽しみもこだまする。

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