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村議会の廃止

2017年6月15日
 ほとんど人のいない傍聴席、自治会の要望と変わらないささいな質問-。県内のいくつかの市町村議会を傍聴したが、時々、地方議会の存在意義について悩むことがあった。

 その度に、住民自治の理念を確立するには相応のコストがかかるんだと自分に言い聞かせてきたが、まさかこんなウルトラCがあるとは知らなかった。高知県大川村が、村議会議員のなり手不足を理由に議会を廃止して「村総会」設置を検討すると正式表明した。

 憲法93条は、地方公共団体には議会を設置すると定めているので、総会と言われてもぴんとこない人は多いはずだ。ところが地方自治法には「議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができる」と規定されていて問題ない。

 過去には東京都の離島にあった有権者約40人の村で前例があったという。大川村は離島を除けば人口約400人で全国最少。本県は人口最少の西米良村でも約千人なのでまだ開きがあるが、今後の過疎化を考えると人ごとではないと思った人は少なくないはずだ。

 有権者をどう一堂に集めるかなど総会にも課題はあるが、過疎に悩む自治体は大川村の動きを注視するだろう。同村の表明が刺激になり、首長率いる行政に比べて改革が遅れているという地方議会の役割を再認識する機会になるといい。

 例えば情報公開や住民参加が進んでいるか、首長を監視・評価するとともに政策提言・立案を行えているか。議員同士で実質的な討論が行われているか。住民自治の実現に存在感を発揮できれば、コストがうんぬんという議論は起きない。

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