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口蹄疫を忘れない日

2017年4月20日
 30年近く前、県山岳連盟のヒマラヤ登山に同行した。目指した頂はタクラマカン砂漠の西側にそびえる7000メートル級の山。途中、食料としてヒツジとウシ科のヤクを購入した。

 ヒツジはカシュガルの市場で2頭、ヤクは標高3000メートルの高所で放牧されていた家畜用の2頭を手に入れた。かんづめや湯で温めるだけの携帯食中心の味気ない食事が連日続くベースキャンプで、ヒツジやヤクをほふった日の夕ごはんは特別のごちそうだった。

 そんな日々、登攀(とうはん)隊長I氏と一緒に食したメニューが「ヤク肉のしゃぶしゃぶ」だ。赤身のヤクの肉をさっとゆでて、インスタントラーメンのスープのもとで作ったたれを付けて食べるだけなのだがほっぺたが落ちるほど美味に感じた。

 きょうは「口蹄疫を忘れない日」。2010年に起こった惨禍の記憶を風化させてはならない、と弊社が1例目感染疑いが確認された4月20日をそう名づけ、この日の前後に啓発行事を行っている。あれから7年、近隣国では口蹄疫がはびこり油断できない状況だ。

 「ヤク肉のしゃぶしゃぶ」の後日談。帰国して赤身の外国産牛を同じように調理して食べてみたけれどヒマラヤで感じた味とは似ても似つかぬものだった。I氏にそのことを告げると「そりゃ当たり前、あれは山限定」と一笑にふされた。

 シンポジウム「全共へ一丸~目指せ宮崎牛V3」では9月の全国和牛能力共進会へ向けた関係者の意気込みが会場に充満した。究極の肉質で至福の頂へ、と導いてくれる宮崎牛だ。V3はヒマラヤ級の高い目標だが達成されると信じたい。

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