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県警本部長に就任した  阿部文彦(あべ・ふみひこ)さん

2019年9月6日
 「県民の安全安心のため全力を尽くす」。県警の最高責任者としての抱負は明快だ。幹部が居並ぶ着任式でも「県民の声に耳を傾ける」「事件事故や災害を想定した準備を平素から行う」と基本的な心構えを説いた。

 「もともと理系で数学が好き」だったため東京大農学部へ進学した。専攻は砂防工学。ただ、職業へのこだわりはなく、就職活動では民間企業や中央省庁を幅広く回った。その中で、仕事について熱く語る警察庁の採用担当者と出会い、進む道が定まった。

 入庁後は警備や生活安全部門を歩んだ。東日本大震災の際は、警備課理事官として全国の警察から被災地に集う派遣部隊の調整を担った。厳しい環境の中で懸命かつ黙々と行方不明者の捜索に当たる仲間の姿は、今も脳裏に焼き付いている。

 出向経験も豊富だ。外務省では海外の治安機関と連携し、テロ対策や在留邦人の保護に奔走。内閣官房ではサイバーセキュリティー対策にも携わった。さまざまな経験を経て「人々の生活の根本を守る警察の仕事を選んで良かった」との思いを強くしている。

 座右の銘である「人間万事塞翁(さいおう)が馬」を引き合いに、職員には「目先のことに一喜一憂せず、置かれた状況でしっかり仕事に取り組んでほしい」と求める。

 穏やかな語り口からは、誠実な人柄がにじむ。「まじめしかとりえのない、つまらない男です」と笑って自己分析。小学5年の娘の「成長を見守りたい」と宮崎市の官舎で妻、娘と3人で暮らす。東京都出身の49歳。

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