ホーム ひと

宮崎地検検事正に就いた 加藤俊治(かとうとしはる)さん

2019年5月3日
 法曹界を目指すきっかけは、中学生の時に手にした六法全書。漢字とカタカナだけだった当時の条文に不思議と引きつけられた。「『遠山の金さん』みたいな勧善懲悪の仕事」への憧れから検事の道へ。「社会の安全・安心に寄与するという司法の目的を果たし、県民の負託に応えていく」。就任会見で地検トップとしての決意を言葉に込めた。

 早稲田大在学中に司法試験に合格。卒業後の1992年、東京地検で任官した。30代前半には、名古屋地検でオウム真理教による一連の事件の取り調べを担当。「自分の責任で調べた最初の事件。検事人生の原点となった」と振り返る。

 オウム事件の取り調べは対象者の多くが黙秘し難航を極めた。それでも「普通の家庭で育った若者の心を動かすきっかけは何だったのか。相手を理解し、人生をたどることから始まった」。あえて相手に感情移入する方法で入信までのプロセスや事件の動機を探り、真相を追い求めた。

 キャリアのほぼ半分は法務省勤務。刑事局刑事法制管理官、大臣官房審議官時代には、性犯罪の厳罰化を盛り込んだ刑法改正などに携わり、「現代社会と法律の間に生じたズレを早急に埋める必要があった」と、被害者だけが抱く「本当の思い」に耳を傾け続けた。

 同じ名字、似た風貌から将棋の加藤一二三・九段の親戚と間違えられることも。その影響で最近は将棋が趣味に加わったが、「対局動画の観戦が専門」と笑う。東京都出身。宮崎市内の官舎で単身生活を送る。52歳。

このほかの記事

過去の記事(月別)