ホーム ひと

日本少女歌劇座展を監修した京都文教大教授 鵜飼 正樹(うかい・まさき)さん

2019年3月23日
 昭和初期から中期に宮崎市を拠点に活動した歌劇団「日本少女歌劇座」の足跡を追い続け、当時の貴重な資料を集めた展覧会を宮崎市で開いている。「さまざまな方の力で実現でき、本当に感謝している」と語る。

 滋賀県甲賀市生まれ。社会学が専門で、大衆文化論について長年研究している。京都大大学院時代には旅回りの一座に飛び込み、自身も舞台に立ちながらその世界を研究。アフリカや東南アジアなど海外にフィールドを求める同級生や先輩が多い中、「遠くに行かなくても、身の回りにはわれわれとは接点のない謎の世界がいくつもある」。その異質な研究スタイルから、「京大の玉三郎」と呼ばれた。

 見せ物も長年研究し、中でも金魚などをのみ込んで吐き出す芸「人間ポンプ」の安田里美さん(故人)に10年間にわたって話を聞いた。アルビノ(先天性白皮症)のため幼くして興行師に引き取られ、生きるために身に付けた芸。「この人の生きざまをこの人の言葉で残したい」との思いから、聞き書きした内容を本にまとめた。

 消えようとするものを記録することへの信念は、日本少女歌劇座に対しても同じ。約20年前に古本市で見つけた絵はがきに始まり、コツコツ集めた資料は約300点に上る。断片的な情報をつなぎ合わせると、劇団員の構成や演目の変化、興行ルートなどが見えてきた。

 研究成果を本などにまとめたい考えで、「50年、100年後の人が『よく記録していたな』と思ってくれれば」と笑う。見世物学会会長。甲賀市在住。60歳。

このほかの記事

過去の記事(月別)