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みやにち夢ひろがる小品展で大賞に輝いた 日高 基孝(ひだか・きよのり)さん

2018年6月9日
 「作品テーマは『命』」。自身の経験からたどり着いた答えだった。生きているということの美しさ、特に青春時代の複雑な感情を追求し、第8回みやにち夢ひろがる小品展で大賞を受賞した。出品作のタイトル「春色の汽車に乗って」は、松田聖子さんの「赤いスイートピー」の歌詞から拝借。歌から連想される、さわやかな青春の雰囲気を、日南海岸を走る汽車と重ねて表現した。

 「年齢を重ね、家族や親しい友人の死も経験してきた。命はいずれ尽きるが、その中で精いっぱい生きることに美しさを感じ、その輝きを表現したい」 長年勤めた小中学校教諭を退職し、国富町役場で高齢者のために働きだしたのが2008年。戦時中、学校に通えなかった人を大学に連れて行ったり、バスで遠方に出掛けたり、生活を彩る手助けをしていた。その中で、高齢になっても明るく前向きに生きる姿に美しさを感じたという。

 7年間続けた後、現在は再び中高一貫校の美術の非常勤教諭として、生徒の指導にあたっている。15年には第67回宮日総合美展で宮日パリ賞に選ばれ、今年2月の県美展でも特選に。「今ごろになって自分の絵の方向性が分かってきました。それからは調子がいいんですよ」と笑う。

 大賞受賞作を制作するにあたり、実物が見たいと赤いスイートピーの種をまいたが、咲いてみると青色だったというおちゃめなエピソードも。「心の中はずっと青春。感動する気持ちを大切に、命あるものの美しさを描き続けたい」と語る。70歳。

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