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第37回宮日杯吟詠コンクール大会で宮日最高吟士に輝いた 藤田イツ子(ふじた・いつこ)さん

2017年9月26日
 詩吟を始めた約35年前から目標にしていた宮日最高吟士。コンクールで名前を呼ばれた瞬間、頭が真っ白になった。「今年駄目なら無理だと思っていた。頂点に立ち、『ひと』欄に出るのが夢だったのでうれしい」と、笑顔がはじけた。

 友人に誘われ、「大声を出せるので、ストレス解消にもってこい」と始めた。徐々に力を付け、50歳を前に全国大会に2年連続で出るほどに。「楽しくてしょうがない。生活の中心となった」 そんな日々を送っていたが、多くの苦難に襲われた。交通事故で3カ月入院し、精神的ショックから自宅に閉じこもりがちに。さらに、夫の五十三(いそみ)さんが70歳のとき脳幹梗塞で倒れた。介護に追われ、気付けば詩吟を楽しむ余裕はなくなっていった。

 それでも多くの友人が「また一緒にやろう」と熱心に誘ってくれた。リハビリで回復した五十三さんも「再開してみたら」と背中を押した。そして約15年ぶりに再開した。

 今大会で吟じた「事に感ず」は、花とチョウとツバメの関係を例に、自分が没落すると、薄情な人は離れるが、人情の厚い人は、貧乏になっても見捨てないさまを表したもの。「人の温かさに支えられた自分と重なり、自然と思いを込められる」というほど大好きな詩だ。

 西都市の特別養護老人ホームで月の半分ほど調理師として働く。仕事の合間に、利用者に詩吟を披露し、楽しませることも。「成績面はもう満足。今後は1人でも多くの人を喜ばせたい」とほほ笑む。新富町で夫と2人暮らし。68歳。

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