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第21回県美術海外留学賞を受賞した造形作家 木村道子(きむらみちこ)さん

2017年1月29日
 竹の骨組みに紙を貼って「舟」を形づくり、テンペラで描く。和洋の伝統素材を組み合わせた独創的な立体作品で、宮日総合美術展留学賞チャレンジ部門に入選。美術家としての可能性に期待が集まり、イタリア・フィレンツェ行きを射止めた。「長年の目標。ルネサンス発祥の地でテンペラ画を学び直し、自分の可能性を知りたい」と意欲をみせる。

 卵などと顔料を混ぜ合わせて使うテンペラ画は、同国で長い歴史を持つ。日本ではなじみ薄い技法に出合ったのは、宮崎大の卒業論文でテーマにした美術館ワークショップを取材したとき。「自分で材料を集め絵の具を作る。すべて一からということに衝撃を受けた」。独学で制作を続けてきた。

 美術が好きで、佐土原高校デザイン科に進み、大学でも教員養成課程の美術専攻へ。しかし「4年間は模索の日々。ほとんど制作せず、1年ごとに研究室を渡り歩いた」。その中で、美術のワークショップに引かれた。

 「一人きりで世界観を追求するより、作ることを通しての経験や出会いを大切にしたい。地層のように重なり表現の幅を広げてくれる」と信じる。今回の入選作に用いた竹は約3年前、日之影町で竹を使って行われたアートプロジェクトでの経験から着想した。

 テンペラと向き合うこれからの1年間も、出会いによる変化を成長につなげるつもりだ。離れて暮らすことになる夫は、「アーティストとして結果を残さないといけない」と背中を押してくれた。その夫に、共に暮らす猫5匹も託す。37歳。

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