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七島藺の工芸作家として注目を集める 岩切千佳(いわきり・ちか)さん

2017年1月4日
 世界農業遺産に認定された大分県の国東半島宇佐地域で栽培されるカヤツリグサ科の多年草・七島藺(しちとうい)。畳表に使われる希少な素材で工芸品制作に取り組み、「国内唯一の産地として知名度を向上させたい」と意気込む。

 国富町出身の38歳。本庄高から美術を学ぶため別府大(別府市)に進んだ。卒業後はテレビ局で働き、水産研究施設に転職した。ところが仕事中、ガラスの破片で左手小指の神経を切断。つらい思いをしたが、療養中にリハビリを兼ねて工芸士の養成講座に参加し、このことが七島藺作家を目指すきっかけとなった。

 七島藺はかつて日本各地で栽培されていたが、イグサに押されて生産量が激減。近年は耐久性やデザイン性の高さが見直されている。「最初はただの草だけど、手を掛けるといろんな形に変わっていく。表現としてすごく面白い」。アクセサリーやバッグなど新たな製品を次々に開発。渡米して商談会に参加するなど海外展開も見据える。

 世界農業遺産認定などが追い風となり、七島藺は伝統作物としての評価が上昇。「江戸時代から受け継がれてきた伝統と素材の素晴らしさを知ってもらうチャンス」と捉え、各地で工芸品作りのワークショップを精力的に開く。高千穂郷・椎葉山地域の同遺産認定を喜び、「両地域の懸け橋になりたい。作家同士でコラボするイベントを開くのが夢」と語る。

 国東市在住。両親は帰郷を望んでいたが、「作家として頑張る姿を見て、応援してくれるようになった」と笑顔を見せた。

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