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第27回宮日茶の間賞の特選に輝いた 川上清子(かわかみ・きよこ)さん

2016年12月11日
 母のぬくもりを肌で感じたい…。年を重ねるにつれて思いは募るが、恥ずかしさが先に立ち、なかなか90歳を超えた母ミツエさんに「ハグしよう」と言えなかった。ある日、思い切って口に出せた時の感動をしたためた文章は、母を思う心情が率直に表現され、読む者の共感を呼んだ。

 背景に「人はいつか別れが来る…」との思いがあった。営んでいた写真館で数多く遺影を扱い、間接的だが「死」と向き合ってきたことも現実感を高めていた。“限られた時間”を母と大事に共有したいと強く思った。

 「贈呈式の場にいることが信じられない」という特選受賞を、誰よりも喜んでくれたのは母。今では、30キロほど離れた鹿児島県霧島市の実家に1人暮らしする母を訪ねる度、あいさつ代わりのハグをするようになった。

 特選作「ハグ」は、昨年11月に茶の間に初投稿した作品。もともとは「認知症予防のため」に投稿を始めたというが、今では感動したことを残すため、月1回ほどのペースでペンを執る。

 「特選受賞は多くの人が喜んでくれ、お祝いの声を掛けてもらったり、はがきを頂いたりしてすごく励みになった。これからも投稿を続けていきたい」と新たな意欲をかきたてられた。

 最近の楽しみは、パートとしてサポートに行き始めた保育園で、赤ちゃんたちと触れ合うこと。この様子も「次の投稿の題材になれば」と笑う。

 趣味は読書で、えびの市の絵本読み聞かせグループでも活動している。同市向江に夫、次男家族とにぎやかな6人暮らし。70歳。

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